SSHブログ

【福島復興WS】福島の復興と放射線についての授業2025

2025年7月31日 10時00分

7/29,30に福島の復興と放射線についての授業を実施しました。
今年は宮城教育大学防災ゼミ様、大学生や他校の先生の参加がありました。

◎参加者
本校希望生徒40名、宮城教育大学生4
担当:本校物理教員

◎目的
放射線とは何か知り、福島県の現状について把握すること。そして放射線の知識を土台として、現在の福島県の課題(廃炉、除染と除染土の処理、風評被害・偏見)を科学的・社会学的に分析し、自分の意見を持てるようになること。

◎授業内容
<第1章>放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
<第2章>放射線の実験 : はかるくんをもちいた実験(環境放射線量の測定、距離と遮へいによる減衰の確認など)
<第3章>福島の現状 : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果、甲状腺検査の結果と課題、放射線以外の健康影響
<第4章>福島の課題 : 現在の原発の様子と課題、現在の福島県の人口などの状態、風評被害とその原因、新型コロナウイルス感染症、能登半島沖地震後の混乱との類似性
<第5章>福島の努力 : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力、復興のポジティブな側面
終盤での議論:「東日本大震災の教訓は何か」

WIN_20250729_13_42_39_Pro WIN_20250729_15_08_58_Pro WIN_20250729_15_06_31_Pro 2025_07_30_162147 2025_07_30_161845

◎生徒の感想・これまで無関心に思っていたこと(モニタリングポストや甲状腺検査の是非)が実際には必要なのかどうか考えるきっかけとなりました。地域の人の意見もあるだろうが自分の意見として考えさらに次の世代の人々に伝えるのは大事なことだと思った。 (2年男子)

・放射線について距離や遮蔽物の違いによりどのように線量が変化するか数値を通して詳しく知ることができた。また自分たちが知らないだけでさまざまな研究が専門家でない人によって行われていたことは非常に驚きました。さらにさまざまな人が私たちのために行動してくれたり、一方では逆に傷つけてしまったりしたと思いました。

ネットでは取りたい情報ばかりを偏って受け取りやすいので、テレビや新聞もしっかりと見るようにしたいと思いました。非常事態が生じた場合は科学的根拠のないものや偏見で世の中が溢れてしまうので落ち着いて正しい情報を集めるようにしたいです。今は被災地に過疎問題が大きいことを知りました。福島の復興は多くの方々の支援によって行われているので何かあったときは自分たちが今度は頑張るようにしたいです。次の世代を作るひとりの県民として復興のことは常に気を掛け後世にも伝えていきたいと感じました。 (1年男子)

・今まで正しい情報を知らないまま原発福島のことについて見てきたがこの授業で科学的な根拠に基づく正しい情報を知って将来の福島について深く考えられたと思います。自分たちにできることを考え、より良い社会づくりに貢献できるよう、自分の考えを持って生活していきたいです。先生の授業本当にありがとうございました! (1年男子)

・ぜひ安積中学生にも知ってほしいしほかの中学の人々にも知ってほしい。少しでも福島に生まれたからには恩返しをしたい。また福島のために命をかけてくれた方々に命を懸けても良かったと思ってもらえるような福島にしたい。 (1年男子)

・福島県に私はずっといたのですが、これまでニュースについてしか知識を得られず、このように専門知識のある先生から直接教わることが貴重で大変ためになりました。私自身も「原発は危ない」と、「危ない」という言葉の中におさめていたため今すごく見方が変わりました。言葉の中ではなく科学的な数値の中で考えることが大事で、世の中の多数意見がすべてではないと改めて強く感じました。私も前に動画で福島の放射線をわざわざモニタリングポストを撮って載せ、コメント欄で「こんなところに子供を住まわせる親が信じられない」と書かれていたことを覚えていて、当時の私は高い数値が低い数値がわからず困惑しました。今考えると全然高くなく、ネットは間違いだらけだと思いました。一方で正しいと思える情報も、人間がやっていることなので間違いがあるため、このような風評被害のある物事はすべて自分で実際に見たものや専門としている人の情報を大事にして行きたいです。発信する機会があるのであれば必ず正しい情報を子どもや周りの人に自信を持って伝えたいです。(2年女子)