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【SS探究Ⅱ】2年生 仮説設定発表会

2024年7月20日 13時00分

 7月10日(水)2年生の探究活動では「仮説設定発表会」が実施されました。3年生まで行う「SS探究Ⅱ」の探究テーマについて、班ごとに設定したテーマと仮説、手法を発表し、テーマと仮説に矛盾はないか、探究の方法に問題はないか、検討されました。発表時にはゼミの仲間やシニアサポーターからの質問があります。自分達で考えると上手く進みそうなテーマも、他者の視点からみると仮説に無理があったり、探究が難しかったりします。生徒はそれらの指摘も考えて夏休み明けにはテーマを決め、探究を進めていくことになります。

 昨年度まで普通クラスの「SS探究Ⅱ」のテーマは「グローバル探究」としてSDGsを中心としたテーマでしたが、今年度はSDGsだけではなく、1年次の地域創生をより深めようとする探究テーマや福島復興についてのテーマも設定されています。139期生がどのようなテーマを探究していくか、楽しみです。

 

【福島復興WS】放射線学習会

2024年7月20日 12時00分

 7月18日(木)放課後、福島復興ワークショップの一環として「放射線と健康について」「中間貯蔵施設について」の学習会が行われました。

 1コマ目は福島県立医科大学 健康リスクコミュニケーション学講座の田巻倫明教授から「放射線の基礎と健康影響-身の回りの放射線と医療で使われる放射線-」というテーマで放射線の基本的な知識(放射線と放射能の違い、ベクレルとシーベルトの違いは?)と、医療でも利用されている放射線について、被ばくの種類と限度について、講義がありました。

 2コマ目は 環境省 福島地方環境事務所 中間貯蔵部 中間貯蔵総括課 体外調整係長の髙山直也氏から「原発事故からの復興への取組-中間貯蔵施設の現状について-」というテーマで中間貯蔵施設とは何か、福島の除染と除去土壌の中間貯蔵と利用についての講義がありました。

 2時間もの講義とディスカッション、質疑応答でしたが生徒は熱心に取り組んでいました。 生徒の中には、講師の先生方が帰った後も、放射線について、福島復興について自分達が考えることについて、担当教員と話す姿も見られました。今回の学習会は放射線や福島復興の勉強会だけでなく、福島第一原子力発電所見学会や中間貯蔵施設の見学の事前学習も兼ねていました。

 講義を聞いて、実際に見て、考えたことは、何かを行う為の確実な礎となります。様々な課題が複雑に絡んだ福島の震災からの復興は終わっていません。これから福島がどうあるべきか、みなさんの考えや取り組みがこれからの福島復興のパワーになります。

<生徒感想>

・放射線のことや中間貯蔵施設について、よく知ることができました。今の福島の現状を知り、他人事では全くないと感じました。今後も勉強を続けたいです。

・自分が思っていた以上に土壌を処理するまでの課題が多かった。これから土壌の再生利用について話し合いが行われるとのことだったので、色々な用途が見つかって欲しい。

・前回の学習会では知ることができなかった情報も知ることができた。見学時も今日の内容を思い出しながら見学したい。

 

国際英語プレゼンテーション大会(START2024)

2024年7月20日 11時30分

 7月19日(土)に山形県立東桜学館中学校・高等学校を会場として行われた、国際英語プレゼンテーション大会(START2024)に参加しました。この大会は、学校在学中に行った個人やグループの探究・研究活動の内容を英語で発表及び質疑応答を行い、審査により研究テーマごとに分かれた5つの会場で1位と2位が表彰されます。

 本校でからは、科学、人文の両部門に各1チームが参加しました。

第1会場(科学分野)では「Towards Self-Production of Glycyrrhiza uralensis in Japan : Hydoroponic and Soil Cultivation, and Estimation of Natural Grouth Condition」というテーマで薬用植物の甘草(カンゾウ)についての探究で 伊藤・阿部・舟木・藤澤 チームが発表しました。

第4会場 人文部門では「The exchange program in Garmany」というテーマで ドイツへの渡航、現地生徒との交流を通して考えた英語教育について 小島・平山・林 チームがプレゼンしました。

全て英語での発表、質疑応答を生徒達は堂々とやり遂げました。審査の結果、第1会場の伊藤・阿部・舟木・藤澤 チームは2位を受賞しました。

<生徒感想>

・最初はかなり嫌だったが引きづられてでも参加して良かった。次の発表に活かしたい

・自分は他のメンバーより英語力が劣っているから文献調べや資料作りに頑張った。絶対、一人ではできない経験ができた。他のメンバーには感謝しかない。この経験をこれからの英語学習に役立てたい。

・結果としては悔しい結果となりました。しかし、英語の大会に初めて挑戦して大変な場面もありましたが、とても楽しかったです。悔しかった、楽しかったで終わらず、学んだことや反省点を活かして、今後の発表会や探究活動に活かしていきたいと思います。

 

令和6年度 安積高校「SS探究Ⅱ」探究活動最終発表会

2024年7月20日 10時00分

 7月9日(火)14:00~16:00 安積高校「SS探究Ⅱ」探究活動最終発表会が実施されました。これは3年生が、2年次から取り組んだ「SS探究Ⅱ」の最終発表の場です。3年生は、同級生や1,2年生、保護者、シニアサポーターの見守る中、2月の中間発表会の反省を生かし、パワーアップさせた発表をしていました。質疑応答では鋭い質問にも負けず。適切に回答していました。

 3年生はこの後、探究活動の成果を論文にまとめ、2年間の「SS探究Ⅱ」の終了となります。お疲れ様でした。

 1年生は「SS探究Ⅰ」のまとめの活動に取り組みます。2年生はこれから「SS探究Ⅱ」のテーマを決めることになります。

 先輩の発表を参考に、充実した探究活動になることを願っています。

<生徒アンケートより>

Q 発表の優れていた点はどんな点ですか?

・全体的に分かりやすかった。

・前回の体育館の発表の時よりも研究が進められていた。

・データをもとに考察し、かつデータにも疑ってかかった姿勢がいいと思った。

・先行研究と自己研究のどちらも取り込まれていたので、自分達の実生活に活かせる内容になっていました。

・実験や式について詳しく書かれていた点。どんなものなのか自分でも調べたくなった。

Q 発表会であなた自身が得たものは何ですか?

自信/プレゼンテーション能力/研究とかは意外と思い通りにならないということ/行動力/様々な考え/テーマを深堀りすることの大切さ/質問される可能性の高い物事を予測してその対抗策を考えるレジリエンスを得た/日本中、世界中に様々な問題が溢れていて、興味深いものがたくさんあった為、もっと向き合うべきだと思った

【SS探究】「朝河桜」酵母で共同研究  安高×岩農=おいしいパン

2024年7月19日 09時00分

 本校生物部では、敷地内にある朝河貫一博士ゆかりの「朝河桜」から天然酵母を取り出し、その性状について研究してきました。これは生物部の先輩達から、福島県産品の活性化や風評払拭を目指して引き継いできたものです。研究を続けていくうちに、取り出した酵母の中でも、シャーレ番号から「10-β(じゅうのべーた)」と名付けた酵母はパン作りに適していることが分かってきました。しかし、どんなに素晴らしい酵母でも、安積高校では酵母の研究はできますが、食品製造はできません。自分達の研究を社会に還元できないか悩んでいたところ、岩瀬農業高校の食品科学科の生徒さんがこの天然酵母に興味を持ってくださいました。岩瀬農業高校さんであれば、食品製造や管理のノウハウがあります。私たちは岩瀬農業高校さんに10-βを託すことにしました。

 7月11日(火)に岩瀬農業高校の生徒さん3名が来校し、生物部の生徒から10-βを培養したシャーレ20枚をお渡ししました。また、本校での培養の仕方や食パンづくりについて、引継ぎがされました。

 岩瀬農業高校の生徒さんからは作りたてのマドレーヌをいただきました。こんなに美味しマドレーヌを作れるなら、きっと、10-βからも美味しいパンを作ってくれるに違いない!と確信しました。

 高校どうしが連携した食品開発は例が少ないそうです。社会的な関心も高く、地元新聞等からの取材がありました。

 安高生が研究した「あんパン」が店頭に並ぶ日が来るかも知れません。

 

2年SSクラス コミュタンサイエンスアカデミア ネクスト参加

2024年7月10日 09時55分

2年生のSSクラスの生徒たちが、環境創造センターの研究体験講座に参加しました。

 

三春町にある福島県環境創造センター(コミュタン)には、日本原子力研究開発機構と国立環境研究所という国の研究機関が併設されています。今回、環境創造センターが主催する高校生研究体験講座に、2年生SSクラス40名が参加しました。

 

実施は7月6日(土)9:30~16:30で、環境創造センターの研究棟を会場に行われました。

講座は、1グループ4~7名に分かれ、各グループが6つのコースのうちから選択した1つのコースで、研究を体験しました。

学校にある実験装置とは違って、研究者が使う本格的な装置を操作してデータを取得し、さらにデータから何が読み取れるか考えます。

データの解析はもちろんですが、本格的な装置とあって戸惑うことも多かったのですが、職員の方々が細かくサポートしてくださり、何とか結果を導くことができました。最後には、グループごとのまとめの発表などもあり、1日でまさに研究を体験することができました。

 

SSクラスの生徒は自分たちも課題研究に取り組んでいますが、研究者の方々から直接教えを受け、このような本格的な研究の手法に触れることのできるのは、実に貴重な機会です。ぜひ次年度も、この講座を設けていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

【SS探究Ⅱ】先輩方、今年もお世話になります!~シニアサポーター合流~

2024年6月29日 11時09分

 6月から2,3年生の探究Ⅱに16名のシニアサポーターが合流しました。2年生は4月から取り組んでいる新たな探究について、テーマ設定からサポーターにアドバイスを受けます。3年生も2年生から取り組んでいる探究テーマについて、最終発表と論文作成の伴走をしてもらいます。合流初日から、どの教室でも世代を超えて安高生が議論を交わしていました。

 シニアサポートネットワークも3年目となりました。生徒はサポーターから教科書にない知見をどんどん吸収し、探究のレベルを上げています。サポーターからも「高校生との交流は刺激になる」「自分の経験を若い世代に伝えられるのは有意義だ」「世代が違うOBと交流できるのは楽しい」との感想をいただいています。安積高校の先輩方の熱い支援は探究活動にも広がっています。

[お知らせ]シニアサポートネットワークでは、毎年、生徒の探究活動を支援してくださるOB,OGを募集しております。今年度は9月に説明会を開催する予定です。日程は本校HPおよび同窓会誌にチラシを同封予定ですのでご覧ください。

SSHクラス SSアカデミーⅡ 実験巡検講座

2024年6月29日 09時30分

 6月26日(水)3年7組(SSHクラス)はムシテックワールドで土壌微生物の観察をしました。生徒は班ごとにムシテック敷地内の土を採取し、土壌に生息する生物を観察しました。体調が10cmあるミミズから実体顕微鏡でないと観察できないダニまで、様々な土壌生物を観察し、資料で同定しました。また、持参した安積高校の畑の土と生物について比較し、土壌環境の違いを比較しました。普段目にすることがない土の中にも多様な生物が生息していて生態系を形成していることを直接学びました。 

<生徒感想>(抜粋)

・土壌には思った以上の生物がいた。安積の土には生物が少なかった。これは管理され、孤立しているのと、エサとなるような腐葉土が少ないので生息する生物が少ないのではないか、と思った。

・ツルグレン法は生物の特性を生かした採取法で、生物にあった道具が作られるのだと思った。

・クワガタの頭部が空っぽで殻だけであったり、ボロボロの落ち葉があったりして、分解者の活動の片鱗をみた。自宅の庭の土壌についても見てみたいと思った。

 

【福島復興ワークショップ】処理水学習会

2024年6月29日 09時00分

6月26日(水)放課後、経済産業省資源エネルギー庁参事官 廃炉・汚染水対策官 木野正登氏を講師に迎え、処理水学習会が開催されました。

 昨年海洋放出された「処理水」とは何か、処理水による人体や環境への影響はあるのか、処理水放出についての各国の反応や政府としての対応などについて説明して下さいました。参加した生徒は、処理水について理解を深め、更に処理水だけでなく原子力災害や放射線について様々な質問をし、木野氏は1つ1つ丁寧に回答してくださいました。

<生徒感想>(抜粋)

・処理水は国際基準よりさらに低いレベルに希釈されて放出されており、環境や人に対して影響が無視できるレベルであった。国際機関にも評価を受けていることがわかった。

・いわきのふるさと納税の金額が処理水放出後に10倍になっていることに驚いた。処理水に対して国内の理解が進んでいることがわかった。しかし、国によって処理水への対応が異なるので、今後も説明を続けていかなければいけない。

・燃料デブリを取り出すのには長い時間がかかる、という課題もあることがわかった。

【SS地理情報】福島学入門

2024年6月27日 15時30分

本校SSHⅢ期では、学校設定科目として1年次に【SS地理情報】を設けています。これは「地理総合」の代替科目となりますが、この特色の一つとして「福島学・福島復興」に関する学びを取り入れていくというものがあります。今回は東京大学大学院情報学環・学際情報学府准教授の開沼博先生をお招きしました。開沼先生は今年度から本校SSH運営指導委員としてご指導をいただいてもおりますが、本日は1年次全クラスが一緒に「福島学入門」の講演を聞くことができました。福島について様々な観点から教えていただき、質疑応答も含めて有意義な時間を過ごせた生徒が多かったようです。